1. トップ
  2. >
  3. Anicli24医局コラム

ある日の動物病院 「年齢じゃないんです」 獣医師 小山

動物病院での飼い主さんと獣医師の会話を基に、飼い主さんに知って頂きたい事を紹介していきたいと思います。


ここはH動物病院。今日の診察担当は勤務医のK先生だ。K先生はつい最近ここの病院に勤め始めたばかり。
本日最初の患者さんは、Sさん家のネコのAちゃんのようであ1.受付のスタッフが新しい先生が来たことを説明している
K先生は受付のスタッフから、2.Sさんの本日の受診理由を聞き、
Aちゃんのカ
ルテに目を通した。特に今まで大きな病気はしたことがないようである。
本日の主訴は3.「元気と食欲がない」

Sさん、どうぞお入り下さい。」K先生は待合室のSさんを呼んだ。

一瞬Sさんと目が合った。何か言いたげな表情。
4.K先生は警戒した
S
さんはゆっくりと診察室に入って来た。そしてK先生を頭の先から足の先までじっと念入りに見た後、痛烈な一言を放った。

「若いわねぇ、大丈夫?」

(ああ、まただK先生は苦笑い。
実はK先生は実際の年齢よりもかなり若く見られることが多い。そ
して5.飼い主さんは若い先生が気に入らない事が多いのだ。
「実はそんなに若くないんですよ。」と笑顔で言いながら、内心ドキドキのK先生。不信感を抱かれての診察はかなりやりにくい。6.ほんの些細な事がもめ事に発展する事がよくあるのだ。
K
先生はいつもの数倍言動に気を付けながら、Aちゃんの診察を始めた。

幸いすぐにAちゃんの不調の原因がわかった。ほっとするK先生。ここで原因がわかりませんなんてことになったら、Sさんの不信感は大爆発である


7.A
ちゃんの状態と治療法についての説明の後実際に治療を受けてSさんは納得されて帰っていかれた。

それからもSさんは何かあると来院され、今ではK先生のことを気に入っているようだ。そして新たに入った先生を見てまた一言。
「あの先生も若いけど、大丈夫?」
K
先生は笑顔で返す
8.「年齢じゃないんですよ!」


POINT
1.
受付のスタッフからは色々な事が聞けます。わからない事や、ちょっと獣医師には言いにくいことも遠慮なく言って下さい。仲良くなれば、お得情報が聞けるかもしれません。

2.
受付では、来院した理由を簡単に説明して下さい。よく一から詳しく説明して下さる飼い主さんがいらっしゃるのですが、細かい事は診察室で聞きますので、その時にじっくりお話し下さい。

3.
「元気、食欲がない」これは実は獣医師が言われて一番悩む言葉です。どんな病気にもつながる症状ですので、診察をしていく上でもう少し情報があるとすごく助かります。元気がないといっても、ぐったりしているのか、なんとなくいつもより動きが悪い程度なのか、食欲も全くないのか、それともいつもの3割ぐらいは食べるのかなど、なるべく詳しく教えて下さい。飼い主さんの情報が診断につながっていくのです。

4.
獣医師は動物たちだけでなく、飼い主さんも診なくてはならないと言っても過言ではないと思います。治療には飼い主さんの意志が重要です。その為に、獣医師は飼い主さんの表情や言葉をよく観察します。納得されているのか、不快に感じてらっしゃるのか、喜ばれているのか。もし飼い主さんがご自身の感情をうまく言葉に出来ないとしても、態度で示して頂ければ伝わるでしょう。かわいい我が子の為にも、きちんと意志表示をして、納得のいく診察を受けて下さい。

5.
「若い=経験がない、下手くそ」と思われるのでしょう。若い先生を敬遠される飼い主さんは多いです。新米先生は確かに経験が足りないかもしれませんが、その代わりものすごく一生懸命です。心配ならば、その気持ちを遠慮なく伝えて下さい(本人に直接言いにくい場合は、受付でどうぞ)。飼い主さんの気持ちを一番素直に受け止められるのは、新米時代かもしれません。言われた時は辛いですが、きっと努力するはずです。どうか暖かく見守って下さい。また、獣医になって数年しか経っていない若い先生でもすごく診察や処置が上手な人も多いですので、見た目や年齢で判断すると、いい診察を受ける機会を逃す事もあるのです。

6.
コミュニケーションが取れていれば何ら問題ないことでも、気に入らない相手だと問題になるというのは診察においても同じです。ただ動物病院の場合は、生きている動物たちが相手で、時には命が関わってくるので、問題が大変大きくなることがあります。もし何か納得出来ない、気に入らないということがあれば、些細な事でもそのままにしないで、出来ればその場で意思表示をして下さい。話し合ってみると誤解であるとわかったり、意外に簡単に解決することもあるのです。もし獣医師の方に話し合う気持ちが無い時は、転院した方がいいかもしれません。小さな事が話し合えない人とは、大きな事はもっと話し合えません。トラブルになる前に避けるのが懸命でしょう。

7.
医学的にはいい治療法でも、飼い主さんが納得出来なければ、それはいい治療法ではありません。飼い主さんはただ治療を受けるのではなく、獣医師と協力して、我が子が良くなる為に治療に参加するのです。受け身ではなく、どうか積極的に治療に参加して下さい。納得のいかない時は拒絶する勇気を持って下さい。一番我が子のことを考えているのは、飼い主さんなのです。

8.
年配の貫禄ある先生は確かに頼れそうに見えますので、敢えて院長を指名される飼い主さんも多いです。でも今の若い獣医師たちは実によく勉強している人が多く、飼い主さんに対するサービス精神もしっかりしています。年配の院長にも素晴らしい先生はもちろん大勢いらっしゃるので一概には言えませんが、ほんとに年齢じゃないんです。中身で判断して下さい。

ちなみに、若い先生でもイケメン男子なら、おばさまたちには相当受けがいいですね(笑)。

【DOG】 その他 【CAT】 その他
2010.10.06 09:00
猫の気持ち 看護師・トリマー 芝崎 | TOP | ある日の動物病院 「秋が肝心!」 獣医師 小山
犬猫FAQ Anicli24医局コラム