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いつか年老いる愛犬のために・・・ 第2回 高齢犬に見られる病気とその予防 編  獣医師 佐藤

人間でも、年を重ねるごとに老眼になったり、足腰が弱くなったりするものです。ペットも人と同様、高齢になるにつれて様々な病気や高齢期ならではの症状が見られるようになってきます。

そこで今回は、高齢犬によく見られる病気とその予防に関してお話したいと思います。

・歯周病

 

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歯周病とは歯を支える歯茎の部分が歯垢や歯石が付くことによって炎症を起こすことを言います。歯周病になると、歯茎が痛い為ご飯を食べなくなってしまったり、口臭がきつくなってしまいます。

高齢期になってくると歯茎が痩せてくる為、歯がグラグラしやすく感染も起こりやすくなるため、歯周病が増えてくると考えられています。

一度付いてしまった歯石はご家庭で取り除くことは難しいですが、歯垢に関しては普段の歯磨きでお掃除できるので毎日少しの時間でも歯磨きをする習慣をつけてあげましょう。

どうしても歯磨きができない場合は、まず奥歯を触られることに慣らすと共に、デンタルケアのおやつや水に溶かすだけで歯垢を付きにくくさせる製品もありますので、そういった物を利用してケアをしていきましょう。

歯磨き方法に関してはこちらをご覧ください。


・心臓病 

年を重ねるとどうしても心臓の働きが衰えてきます。心臓は酸素をたっぷり含んだ血液を全身に送り出すポンプの働きをしているので、この心臓が弱ってくると血液の流れが悪くなり、少しのお散歩で息切れを起こしたりしてしまいます。

動物病院では聴診器で心臓の音をチェックしたり、レントゲンや超音波で心臓の大きさや動きを確認したりすることができます。普段と同じ運動量なのに、「最近すぐに息切れする」などといった症状が見られたら、一度動物病院を受診しましょう。

心臓に関しての詳細は→こちらをご覧下さい。

 

・白内障

 

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白内障は人間でも高齢になると見られる病気です。水晶体が白く濁り、視力が低下する疾患で加齢に伴って発症する場合と遺伝や糖尿病などを原因として発症する場合があります。

犬はもともと視力はそれほど良くなく、嗅覚や聴覚が抜群にすぐれているため視力にそれほど頼っていませんその為、眼が悪くなっても慣れた散歩コースやお家の中ではほとんど物にぶつかることなく歩くことができます。

白内障に対する治療方法としては、手術によって水晶体を削る方法があり、治療効果が高いと言われていますが一般的な動物病院で行うことはまだまだ多くありません。また、高齢犬の場合は麻酔をかけるリスクも考慮しなければならず、手術を選択しないケースも多々あります。

 

視力をサポートするサプリメントを摂取することによって発症を遅らせたり、発症している場合でも進行を遅らせたりすることができる場合があるのでお勧めです。


成分としては、

ビタミンA・B2・B6・B12・C、アントシアニン
などがお勧めです。ブルーベリーにはアントシアニンが豊富に含まれています。


腎臓病

腎臓は体内の老廃物をろ過して、体の外に排出する働きがあります。高齢になってくると、この腎臓の働きが衰え、うまく老廃物をろ過できなくなってしまうことで、オシッコの成分が変わってしまいます。例えば、体にとって大切な蛋白質までオシッコの中に出てしまいます。

早いペースで腎臓の働きが悪くなった場合には、様々な症状(吐く、脱水をおこす、オシッコの量が変化するetc)が見られますが、ゆっくりと進行した場合には初期に症状があまり出ずに気付いた頃には重症になっているというケースもあります。

オシッコの検査は動物病院で出来るものなので定期的に検査をしてもらうようにしましょう!

腎臓機能をサポートするサプリメントとしては、
エキナセア、レンギョウ
などがあります。

また人間のサプリメントを販売している会社からもペット専用のサプリメントが販売されていたりしますので、インターネットなどで探してみてください。


・関節炎

関節炎は免疫の異常や生まれながらに関節が変形していることで起こる場合もありますが、高齢期になって関節のクッションとなる部分がすり減ることで発生する場合もあります。

このような関節の痛みには関節をサポートするサプリメントが効果的です。その成分としては、
ビタミンD・K、ヒアルロン酸、コンドロイチン、さめ軟骨、グルコサミン
などがあげられます。

ただし「歩き方がおかしい」「足を引きずる」「異常に痛がる」といった症状では関節炎以外の病気の場合もあるので、まずは動物病院を受診しましょう。


・腫瘍

高齢になると腫瘍の発生頻度が高くなります。これは体にとって不必要な細胞の増殖を自分の力では抑えきれなくなって生じるものです。腫瘍には「良性」のものと「悪性」のものがあり、悪性が「ガン」と一般的に呼ばれているものです。若い頃には制御出来ていた異常な細胞の増殖が年をとるにつれ、抑制できなくなることで腫瘍の発生頻度が上がると言われています。

「良性」であれば特に命に関わることはありませんが、発生した部位によっては生活に支障をきたす場合もあります。(例えば、喉元に腫瘍ができると気管が圧迫されて息が苦しくなりますよね?)
「悪性」の場合は他の部位に転移することが考えられ、命にかかわりかねません。

ガンは早期発見が大切です。体の中のものは眼に見えませんが、体の表面であれば見たり触ったりすることで飼い主さん自身でも発見できる可能性があります。注意して観察してあげましょう。また、定期的な健康診断を受けるようにしましょう。

ガンの治療は切除手術、抗がん剤、放射線療法、免疫療法などがありますが、高齢犬にとって負担の大きい場合もあるので特に治療を行わず、普段の生活を出来るだけ快適に過ごさせるサポート的な治療を好まれる飼い主さんもいらっしゃいます。

ガンの予防効果や進行を遅らせる効果のあると言われているサプリメントは
アガリスク、ビタミンC、善玉菌(ビフィズス菌など)、イソフラボン、さめ軟骨、クルクミン、ローヤルゼリー、カテキン、ポリフェノール、フラボノイド、タヒボエキス
などを成分として含むものが挙げられます。
これらの主な作用は
抗酸化作用免疫力のアップです。

 

・認知症

現在特に問題になってきているのが認知症です。この病気は愛犬自身だけでなく飼い主さんの負担も大きく、連続した大きな鳴き声などからご近所トラブルに発展する場合もあり、とてもデリケートな問題です。認知症は特に柴犬等の日本犬で発生しやすいと言われており、寝たきりになることもあるため飼い主さんによる介護が必要になる場合もあります。

認知症の症状緩和や発症を遅らせる効果のあるサプリメントがいくつか販売されており、これから認知症が増加すると予想されていることもあって様々な研究も実際に行われています。

サプリメントの成分としては、
ビタミンE・B1、EPA、DHA、レシチン、ローヤルゼリー、カテキン、ポリフェノール、フラボノイド
などがあります。

また漢方薬の人参養栄湯は認知症を発症して間もない子への効果が高いとの報告もなされています。認知症を含めた介護方法に関しては今後このシリーズでもお話していきたいと思います。


いかがでしたか?思い当たる症状はありませんでしたか?

前回お話したような
・動きたがらない
・痩せてくる
・おもらしをする

などのちょっとした変化の背後にはこのような病気が隠れている場合があります。

このようなちょっとした変化は私たち獣医師が診察時に1度や2度見ただけでは分からない場合もあります。動物は弱った姿を的に見せてしまうと襲われてしまうといった野生時代からの本能で慣れない人に弱った姿をあまり見せないことが多いからです。その為動物病院のように知らない人がたくさんいて慣れない環境に置かれると緊張や警戒心から、普段お家で見られる症状も見られないことがあります。

飼い主さんが普段からよく観察して、愛犬の代わりに獣医さんに症状を伝えてあげて下さいね。説明が難しそうなら、携帯電話で写真や動画をとっておくと伝わりやすいですよ。

高齢犬になると動物病院へ連れて行くのは大変になってきますよね。愛犬にとっても負担になる場合もあると思います。

定 期的な健康診断を往診で行ってくれる動物病院の数もまだまだ少なく、また詳しい検査や治療は動物病院でないと中々出来ません。しかし、今日ご紹介したよう なサプリメントの利用や日頃からの健康チェック、マッサージなどに関してはお家でも出来ることだと思うので、ぜひ挑戦してみてください。


次回は「認知症」に関してお話したいと思います。

 

【DOG】 高齢犬
2009.11.06 14:22
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