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ワンちゃんのお口のケア  獣医師 三宅

ワンちゃんの祖先でもあるオオカミは、獲物の皮膚や骨を噛み砕いて内臓を食べます。
固い骨などを噛むことがうまい具合に歯磨きの役割を果たしていて、自然に歯石がつかないようになっています。 

現代のワンちゃんたちは、ドックフードや手作り食といった、割と柔らかいものを中心に食べています。(ドライタイプのドックフードも骨に比べたらそんなに固くはないですね)じゃあ骨をあげればいいかというと、じつはそう簡単にもいかないのです。
骨を食べることにより、腸閉塞、胃腸管穿孔、胃腸炎、歯が折れるなどの合併症が報告されています。

そこで、おすすめしたいのがワンちゃんの歯磨きです。

個体差があるのでなにもしなくてもずっときれいな歯の子もいれば、まだ若いのに歯石がたくさんついてしまう子もいます。

*すでに歯石がついている場合・・・*

1.麻酔をかけて動物病院で歯石除去を行う

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「血液検査」
全身麻酔をかけるため、麻酔をきちんと解毒・排泄できるかの確認として肝臓や腎臓の機能をみます。貧血や炎症の有無もしらべます。また、抜歯の必要がある場合には出血が正常に止まるかどうか止血能検査をする場合もあります。

「静脈留置」
ま ず注射麻酔で眠らせてから、ガス麻酔と酸素をいっしょに嗅がせて麻酔を維持します。病院によって麻酔の方法は異なりますが、一番安全で推奨されている麻酔 法です。注射麻酔は静脈に直接入れるため、血管を確保しておく必要がありますので留置針を装着します。こうしておけば、万が一麻酔中に状態が悪くなっても 必要な治療薬をすぐに直接血管に入れられるという利点もあります。

「歯石除去」
歯医者さんで使用するようなスケーラーで丁寧に歯石を取り除いていきます。

「ポリッシング」
歯石と一緒に歯の表面がはがれたり、すこし削れて細かい傷がついたりします。そのままにしておくと歯石が付きやすくなってしまうので、研磨剤をつけて歯の表面をきれいに磨きます。

病院での歯石除去は通常は日帰りでできる処置です。
費用はすべて含めてだいたい34万円くらいの病院が多いようです。
お口のなかの状態が悪く、グラグラしていて抜かなければいけない歯が何本もある場合や、抜いて穴のあいた歯肉を縫合する必要がある場合では、感染・炎症を防ぐために抗生剤や消炎剤を使用しますし、入院が必要になってくることもあるため費用もだいぶ異なります。

全身麻酔は100%安全なものではないので、健康で血液検査上でも全く異常がなかったとしても、リスクはゼロではありません。これは人の全身麻酔でも同じです。

2.お口の中にスプレーして歯石を溶かすタイプのお薬をつかう

アメリカやカナダの獣医師おすすめの商品で、1か月ほど使い続けるとかなり効果が期待できるようです。輸入品で価格は1万円前後で販売されていることが多いようです。
実際使用した飼い主さんに話を聞いたところ、口臭が落ち着いてきたので期待しているが、スプレーにびっくりしてお薬をみると逃げて行ってしまう・・・とのことでした。
成分にアルコールが含まれているのですこし冷たくて苦手な子もいるようですし、安いお薬ではありませんが試してみる価値は十分にあると思います。

 

*歯磨き方法*

さぁ、歯磨きをしましょう!といっていきなり歯ブラシを突っ込んだらどんなワンちゃんでもビックリしてしまいます。
まずはお口の中を見せてもらうところからはじめましょう。

「口唇をそっとめくる(持ち上げる)」

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口を無理やり開けなくてもこうするだけで十分に歯がみえますよね

「歯を触る」
触りやすい手前の歯からやさしく触ってみます。すこしでも嫌がったらすぐに止めましょう。
嫌がる直前でやめてご褒美をあげるとなお良いです。

「歯肉を触る」
歯肉のマッサージをするだけでもお口の環境は良くなります。
歯と歯肉の間から歯石が付き始めることが多いのでとても効果的です。

「歯を磨く」
歯ブラシは難易度が高いので、軍手をはめたり指にガーゼをまいたりして指で磨くことからスタートさせましょう。このとき、缶詰やペースト、お肉のゆで汁などを少しつけて磨くと、あまり嫌がらずにさせてくれるかもしれません。「今日、1本みがけたら明日は2本」というように少しずつ慣らしていきましょう。

 

ここまで出来たらいよいよ歯ブラシを使ってみましょう

1.ワンちゃんを抱っこして落ち着かせます。

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このとき、仰向きで抱っこができると歯磨きがしやすくなります。
体を密着させてワンちゃんが動かないようにしましょう。

動くのをやめて体の力を抜いたら褒めてあげます。ご褒美を少しあげてもよいでしょう。

2.いい子に抱かれているようになったら、次は歯ブラシを見せます。


一瞬みせてそのまま動かずにいたら褒めてあげましょう。
何度か繰り返しながら徐々に歯ブラシを見慣れさせます。

3.歯ブラシを前にして、長い間おとなしくしていられるようになったら、目の前に近づけることに慣れさせます。少しずつ目の前で歯ブラシを見せている時間をのばしていきます。

4.目の前に歯ブラシがあってもいい子にしていられるようになったら、指で歯を触ってみます。

5.さぁ、歯ブラシを使う時がきました。
まずは上の犬歯(牙のような大きな歯です)に歯ブラシをあててやさしく動かします。
指での練習と同じように缶詰やおいしいペーストを少しつけてあげましょう。
ワンちゃん用の歯磨きペーストもおいしいみたいです

上の犬歯

上の奥歯(臼歯といいます)

下の犬歯

下の奥葉(臼歯)

上下の前歯(切歯といいます)

この順番で慣れさせていきましょう。

初日で全部なんてどんなにいい子でも無理です!
10秒単位で考えてあげてください。
「今日は20秒できたから明日は30秒。

一週間後には上の犬歯と上の臼歯が磨けるといいな。」
くらいの長い目でトレーニングの計画をたてましょう。

毎日2回くらいの歯磨きがベストです。それを今後ずーっとやっていくことを考えれば、最初に多少時間がかかっても、飼い主さんもワンちゃんも歯磨きの時間が楽しいものになったほうがいいですよね。

あせらず気長に取り組みましょう。

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2009.11.09 12:18
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