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予防しよう!いまさらだけど大事なこと・・・ 第3回 獣医師 鈴木

前回に引き続き、第3回目!
今回はマダニについてお話しますね。


マダニの生態

マダニは800以上もの種類があり、あらゆる環境に適応して生息できるため、世界中で問題となっています。しかもマダニはペットのみならず、野生動物や人間に対しても健康上の問題を引き起こすため、人は長年にわたってマダニの駆除と撲滅に取り組んできました。

マダニの発生

マダニの発生には気温や湿度など多くのことがいくつも複合して関与しています。このため、季節によって大発生したり、ペットに突然多数のマダニが寄生することがあるのです。

宿主を待ち受けるマダニ

マダニは、過ごしやすい場所(例えば、草むらや、お家のじゅうたんの下etc)で血を吸う標的となる動物が通るのを、ひっそりと待ち受けています。

マダニは血を吸える標的となる動物を察知する為に、「ハラー器官」という独特の感覚器官を使っています。ハラー器官は近くを通る動物の熱や振動、呼吸から吐き出される二酸化炭素を感知しています。このため、マダニは動物が近くに来たことを感知し、とびついて寄生をスタートさせます。

いったん動物に飛びついたマダニは、強力な爪でしっかりと体の表面にとりつき、動物の体の上を移動して、頭や耳などの比較的毛の薄い部分を刺します。

日本に生息するマダニ

マダニはどんな気候、場所にも適応し、犬や猫に寄生する機会を狙っています。

恐ろしいマダニの口

マダニの口は、皮膚を突き刺すのに特に適した構造をしています。

皮膚を突き刺す「口器(こうき)」と呼ばれる器官は、皮膚と皮下組織を切り開く「鋏角(きょうかく)」と、その傷に差し込まれるギザギザの歯がついた「口下片(こうかへん)」から構成されます。
マダニが動物の皮膚に接触すると、鋏角(きょうかく)が動きはじめて皮膚を切り開きます。鋏角(きょうかく)の運動により傷口が開いたままの状態になり、そこに口下片(こうかへん)が徐々に差し込まれます。

マダニは接着剤の働きをするセメントの様な物質を傷口に注入し、差し込まれた口下片(こうかへん)を傷口に固定します。その為、これを取り除くのは容易ではありません。

マダニはしっかりと犬や猫の体にとりついて2~3週間は離れないのです。

マダニによる吸血

マダニの吸血後の体重は、吸血前の200倍にもなることがあります。
マダニは、犬や猫から吸った血液の中の栄養素を濃縮し、大量の水分を唾液として宿主に吐きだします。吸血期間中には唾液の吐き戻しと吸血が交互に繰り返されています。
唾液には血液の凝固を阻止する作用や炎症を抑える作用があり、犬や猫(マダニが寄生する犬や猫は「宿主:しゅくしゅ」と呼ばれます)がマダニに刺されることによって引き起こす反応を抑制しています。
最初の数日間はゆっくりとした吸血を行っていますが、その後、急速な吸血が始まります。吸血時の血液の流れとマダニの唾液の分泌は刺し口の周囲の細胞の溶解(ようかい)と壊死(えし)を加速させます。

病原体が伝播されるリスクが高くなるのはこの時です。メスのマダニが吸血するとフェロモンが分泌され、オスのマダニを交接へと導きます。

マダニのライフサイクル

1.犬に寄生したマダニはおなかいっぱい血を吸って落下する。
2.そのうちメスの成ダニが地上で卵を産む。
3.卵は地面でふ化して幼ダニとなる。
4.犬に寄生し幼ダニはお腹いっぱい血を吸って落下する。
5.幼ダニは地上で脱皮して若ダニになる。
6.犬に寄生し若ダニはお腹いっぱい血を吸って落下する。
7.若ダニは地上で脱皮して成ダニになる。
と1~7を繰り返します。

マダニの被害 〈生命さえも脅かす、恐ろしいマダニ媒介性疾患〉

マダニは様々な病気を媒介しますが、中でも恐ろしいのが「犬バベシア症」という病気です。
感染した犬には貧血、発熱、食欲不振などの症状が現れ、急性の場合は黄疸や衰弱などによって死に至ることもある恐ろしい病気です。
以前は「犬バベシア症」は西日本特有のものとされてきましたが、今では関東以北でも発生が認められるようになり、全国的に感染のリスクがあることが分かってきました。
さらにマダニは猫にも寄生し、バルトネラという細菌などを媒介します。バルトネラに感染しても猫は特に症状を示しませんが、バルトネラに感染した猫に人が引っ掻かれると、「猫ひっかき病」を発症することがあります。
猫ひっかき病は猫に引っかかれた傷口周辺に丘疹(きゅうしん)、膿、水疱などができ、しばらく時間をおいて発熱・リンパ節の腫れなどの症状が見られます。
症状が重くなると脳炎を併発し、けいれん、意識障害などの神経症状を起こす事もあります。小さい子供や免疫が低下している人の場合は特に注意が必要です。

また人間も感染する、マダニが媒介する疾患として知られる「ライム病」は発熱やけいれん、起立不能、歩行異常や神経過敏などの症状を引き起こし、ペットだけでなく飼い主まで苦しむことになります。

マダニの防除法

散歩から帰ったら、マダニが体にくっついていないか、特に頭や耳、目の縁やお腹、足の指の間や背中などをチェックしてあげてください。
この時は、毛先ではなく地肌を見るように毛をかきわけて探しましょう。

マダニを発見したら!!

しっかりと食いついているマダニを見つけても、決して無理にとろうとしてはいけません。化膿したり、病原体をペットにうつしたりするので、見つけたらすぐに動物病院を受診しましょう。

マダニの予防法

全ての種類のマダニを防げる訳ではありませんが、動物病院で処方されるスポットオンタイプの薬剤で予防することが出来ます。毎月予防をしてあげましょう。
動物病院で処方されるノミダニ駆除剤には以下の様な成分が含まれています。

1.フィプロニル
2.ペルメトリン

お外にお出かけすることも増えるこれからの季節、定期的な予防を行って大切なペットをマダニの被害から守ってあげましょう!

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2010.06.02 19:47
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