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動物の体を知ろう!シリーズ 第2回 感覚器-眼 編  獣医師 佐藤

今回は「感覚器系」に関してお話していきましょう!「感覚」と聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?
「匂いを嗅ぐ」「何かを見る」「ご飯を味わう」「音を聞く」などを思いますね。

今回はこの中でも様々な病気と関連する「何かを見る(視覚)」「音を聞く(聴覚)」の2つの感覚器、すなわち「眼」と「耳」をクローズアップして、その構造や働きをお話したいと思います。

それでは今回は「眼」についてお話しましょう!

眼の病気には白内障、緑内障、角結膜炎、逆さまつ毛など色々な種類があります。また「眼やにが多い」「眼をショボショボさせる」など眼にまつわるトラブルは沢山ありますね。
自分のペットが
これらの病気を患ってしまった時、眼の構造や機能を少し知っておくと病気に対する理解が深まると思うので少し勉強してみましょう!

まず、下の図に眼の構造をお示しします。

EYE_000201.jpgでは、図を見ながら眼の構造を見ていきましょう。

眼球は「瞼(まぶた)」と「角膜」「強膜」「脈絡膜」「網膜」という4つの膜に包まれている事が分かりますね。

1.瞼…眼瞼(がんけん)とも言います。

瞼は眼球の一番表面に存在します。瞬きをすることによって眼の表面を涙で濡らし、眼球表面の汚れを取り除き、眼に潤いを与えています。
人間では瞼は「上まぶた」「下まぶた」の2つしかありませんが、犬や猫ではこの2つの瞼に加えて、第三眼瞼(瞬膜とも言います)という瞼も存在します。この第三眼瞼も眼を保護する働きをしています。

EYE_000202.jpg2.外膜

4つの膜のうち「角膜」と「強膜」は合わせて「外膜」と言われています。
「角膜」は眼球表面を覆う膜で、眼に入ってくる光の屈折や透過に関係していて、角膜が傷つくと眼に入ってくる光の調節が難しくなります。眼を擦ったり、ショボショボしている際に動物病院に行くと、眼に緑色の色素を入れる検査をします。この検査は「フルオレセイン試薬」という試薬による検査で、角膜表面の削れた部分に試薬が浸透するので傷があるか否かを調べる事が出来ます。

「強膜」は角膜以外の部分を覆い、眼全体を保護しています。

3.中膜

脈絡膜は4つの膜の中でも中間に存在する為「中膜」と言われます。この中膜には「虹彩」と「毛様体」も含まれます。中膜は「ぶどう膜」とも言われます。

ではぶどう膜を1つずつ見ていきましょう。

「脈絡膜」は血流が豊富で網膜へ十分な酸素を供給する働きをしています。また、タペタムという構造を持っています。タペタムは光を反射させ、視覚の感度を上げる働きをしています。犬や猫の眼が夜に光るのはこのタペタムによって光が反射しているからです。
「虹彩」は眼に入る光の量を調節しています。強い光がある場所では瞳孔が小さくなり、弱い光の場所では瞳孔が大きくなるのはこの虹彩が光の量を調節しているからです。動物病院で眼の検査をする際に、獣医さんがペンライトを眼にかざしたりしているのは「対光反射」といって、この虹彩の機能や虹彩を動かす神経、筋肉の機能を確認する為の検査です。
「毛様体」水晶体の保持や厚さの調節、眼房水という水の産生といった働きをしています。眼房水は図でお示しした前眼房や後眼房を満たしていて、角膜や水晶体に栄養を与えたり、老廃物の運搬をしています。

ではここで「眼房水」に関して少しお話しましょう。

眼房水は図の青色の矢印で示したように、毛様体で産生され、後眼房、前眼房を通って隅角に吸収されます。眼房水は栄養の供給、老廃物の運搬の他に眼圧の調整をする働きを持っています。眼房水の産生と吸収のバランスが一定に保たれることによって眼圧が一定に保たれています。眼圧が高くなったり、逆に低くなったりすると、眼に色々な障害が生じます。

では、眼圧の異常が起こる眼の病気には一体どのようなものがあるのでしょうか?

眼圧が下がる病気=ぶどう膜炎 etc

眼圧が下がる病気の例としてはぶどう膜炎が挙げられます。ぶどう膜炎はぶどう膜に炎症が起こる病気で
原因には感染や外傷、糖尿病などの代謝性疾患に付随して起こるタイプ、免疫の異常によって起こるタイプなどがあります。これらの原因によって生じる炎症の為、眼房水の産生が低下し、眼圧が低下します。
症状としては過剰な涙、まぶたの痙攣、眩しがる、眼の充血などがあります。症状は炎症の起こる部位によっても様々です。
治療は炎症の起こっている原因を取り除くことが大切です。しかし、現実的には原因が分からない事も多いため、対症療法としてステロイドなどの抗炎症薬を使用する事が一般的です。

眼圧が上がる病気=緑内障

眼圧が上がる病気の例としては緑内障が挙げられます。緑内障は眼房水の吸収経路の異常などによって眼房水が吸収されず、結果として眼圧が上昇することで眼に様々な症状をもたらす病気です。
原因としては眼房水を吸収する隅角の異常や他の眼の病気によって眼圧が上昇することで発生するケースなどがあります。先ほどお話したぶどう膜炎やこの後お話する白内障から緑内障を発症することもあります。

症状としては痛みや角膜の浮腫(角膜が青っぽく見えます)、瞳孔が開く、充血など様々なものがあります。
治療は眼房水を排出させ、眼圧を下げるようなお薬などを使います。また症状によっては手術によって眼房水の産生を阻止したり、吸収経路を確保する場合もあります。

4.内膜

「網膜」は膜の中で一番内側にあるため、「内膜」と言われています。
網膜はカメラでいうフィルムに該当し、眼に入ってきた光がこの網膜を刺激すると、その情報が大脳に伝えられて眼で見た物の映像や色を感知させる役割を果たしています。

では次に眼の中身を見ていきましょう>

「水晶体」カメラでいうレンズに該当し、角膜同様に眼に入ってくる光の屈折に関係しています。白内障などの病気でこの水晶体が濁ってしまうと、見えるものも濁って見えてしまいます。レンズが曇ったカメラで写真を撮ろうとしても、映像が曇っているのと同じ理由ですね。
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白内障は水晶体が混濁することで眼が見えにくくなる病気です。
原因としては高齢になって自然に発症するものが一般的によく知られていますが、他にも遺伝的に起こるものや、他の病気に引き続いて起こるもの、外傷によるもの、糖尿病などの代謝性疾患によって起こるものなど、様々な要因があります。
治療としては手術がありますが、住み慣れた家の中では視力の低下が生活に影響を与えることはそれほどありません。その為、麻酔のリスクなどのデメリットも考えて、十分に検討することが大切です。

「硝子体」は中が透明なゼリー状の物質でパンパンに満たされていて、網膜に一定の圧力をかけることで眼の形を維持し、網膜(内膜)と脈絡膜(中膜)をしっかりとくっつける役割を果たしています。

以上で、眼のお話はおしまいです。

私たち人間も含め、動物が眼の健康を保ち物を見て、それを映像として感知できるのは、このような眼の各部位がそれぞれの働きを果たしてくれているからだったのですね。

では、次回は感覚器系の続きとして「耳」に関してお話します。

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