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子犬の社会化、知っていますか?  獣医師 佐藤

皆さんは「子犬の社会化」という言葉を聞いたことはありますか?これは子犬の性格を形成するうえでとっても大切なことです。

今回は子犬の社会化に関して、

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1.子犬の社会化って何?
2.社会化が出来ていないとどうなってしまうの?
3.どの時期に、どうやって社会化をすればいいの?
の3つに分けてお話したいと思います。

1.子犬の社会化って何?

人においても、成長期の環境や経験がその後の人間形成に大きく影響すると言われていますが、それはワンちゃんでも同じです。
子 犬の社会化とは、母犬や兄弟犬同士でじゃれあう中で犬同士のコミュニケーション方法を学ぶことを言います。また現代社会では人間に飼われる中で様々な環境 の変化を体験するので(例えば、お散歩で他の動物に会う、車でのお出かけ、飼い主さん以外の人に会うetc)そういった環境変化に柔軟に対応できる性格を形成するためにも重要なことです。

2.社会化が出来ていないとどうなってしまうの?

社会化がきちんと出来ていないと、どのような性格になる可能性があるのでしょうか?あくまでも可能性であって、絶対にこうなる!というものではありませんが、

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           ・周囲の音に過剰に反応する。
               ・他の動物と仲良く出来ない。
               ・飼い主さん以外の人に友好的に接することが出来ない。
               ・嫌なことがあっても我慢が出来ない。

    
     などが挙げられます。

基本的には最低でも生後2カ月、可能であれば3カ月くらいまでは母犬や兄弟犬と一緒に過ごすことが理想的と 言われています。しかし、皆さんもご存じのようにペットショップでは生後1カ月間もない子犬が販売されています。あまりにも早期に母犬や兄弟から引き離さ れることで、きちんとした社会化期を経験出来ず、後に問題行動を起こすペットは増えています。また、これは子犬だけでなく子猫にも言える事ですが、この時 期の子犬は寝ることがお仕事です。寝ている間に成長ホルモンが分泌され、心身ともに健康に成長していきます。しかし、ペットショップではいつもライトに照らされた明るい場所に置かれています。深夜まで営業するようなペットショップも存在します。ずっと明るく、色々な人に見られ、物音も絶えない場所ではぐっすり眠ることはできません。ぐっすり眠れないと十分に成長ホルモンが分泌されず、脳や体の発育に悪影響を与えることが証明されています。そして、このことも後に問題行動を起こす原因の一つになります。

獣医師の立場から言うと、出来れば生後2~3カ月になってから販売するような社会に変わってほしいですが、「現状として小さくて可愛くないと売れない」とい う意見も多く、本当はまだまだ母犬と一緒にいたほうがいいような子犬が販売されているのが現状です。人間の身勝手で早々に母犬から引き離してしまっている のですから、私たち人間の努力で社会性を身につけさせてあげなくてはなりません。

3.どの時期に、どうやって社会化をすればいいの?

社会化に適した時期はどれくらいなのでしょうか?
一般的には生後3週間から生後3カ月くらいの間と言われています。この期間でも特に生後1カ月ちょっと(生後8週間くらい)で受けた経験はその後の成長に大きく関与すると言われています。

上記のような時期に母犬や兄弟犬と多く触れ合い、また人間によって優しく撫でられたり、話しかけられることは心身の発達を促し、ストレスに負けにくい体を作る助けになります。

では、社会化の方法にはどのようなものがあるのでしょうか?単に色々と経験させれば良いだけなのでしょうか?

そうではありません!

社会化を行うために子犬に色々なことを経験させる際に気をつけなければならない事があります。それは「怖い思いをさせない」ということです。
社会化では他人との触れ合い、他の動物の匂いや声、生活音(車の音、工事の音、掃除機の音etc)雷の音などを子犬に経験させる必要があります。しかし、それらの刺激があまりにも衝撃的で強い恐怖を感じると逆に成犬になってからもずっと怖がるようになってしまいます。

例を挙げるなら
・大きなクラクションの音を聞いて大きな衝撃を受けることで成犬になっても車を異常に怖がる。
・子供に抱っこされて落とされたため、成犬になっても子供が苦手。

などということが起こってしまうのです。
ですから、あまりにも強い刺激を与える必要はありません。

方法としては、

・窓を開けて色々な音に触れる機会を増やしてあげる。

車の音や雷の音、工事の音や他の動物の鳴き声を聞かせてあげましょう。このような音があまり聞こえない場合は演劇用の効果音を収録したCDで遊んでいるとき などに色々な音を聞かせてあげましょう。車や雷の音は遊んでいるときに時々聞こえる音だから別に怖くないんだ!と思わせてあげればいいのです。

・ご近所の人に来てもらって、家族以外の人に触れ合う機会を持つ。

あまりずっと触っていると子犬も疲れてしまうので休み休みにしましょう。また触っていなくても同じ空間に他の人がいるだけでも有効です。

・抱っこして外にお散歩に出かける。

子犬のうちは混合ワクチンを2回ないし3回は接種します。これらの混合ワクチンが完全に完了するまでは地面を歩かせるお散歩や他の動物との接触は避けなくてはなりません。これはまだ子犬の中で病気に対する抵抗性がきちっと備わっていないからです。ですから、ワクチンが完了していない場合は地面を歩かせず必ず抱っこしてあげましょう。車の音、風の気持ちよさ、太陽の光など人間の赤ちゃんと同じように色々な物を見せてあげましょう。

・ケージに入れる。お留守番させる。

子犬の時に飼い主さんにべったりだと成犬になってからも一人ぼっちになるのが不安でお留守番の出来ない子になってしまう可能性があります。また、ケージに入れられた経験をしていないと成犬になってからもじっとハウスが出来ない子になってしまう可能性があります。
お留守番をさせる機会が増えそうな場合はもちろん、将来的に何らかの理由で入院した場合にストレスを軽減する為にも、子犬のうちから短い時間で良いのでお留守番やケージの中にいることに慣れさせておきましょう。

ここに挙げたのは代表的なものであって、他にもリードや首輪に慣れさせる、ご飯のときに待てるようにする、などやることはたくさんあります。またワクチンが完了してからは他の動物と遊ばせる機会を持つことも大切です。
現在は「パピーパーティー」といって子犬同士を遊ばせ、犬同士のコミュニケーション能力を身につけさせる催しが開催されています。このパーティーでは他の犬だけでなく家族以外の人にも触れ合えますので、子犬の成長に良い影響を与えると考えられます。

動物病院でも開催しているところがありますので、是非参加されてみてはいかがでしょうか?子犬はとてもやんちゃで飼い主さんも色々お世話が大変な面もあると 思いますが、同じような境遇の飼い主さん同士でお話するのも今後のペットライフを過ごす上で良い参考になるかも知れませんよ。

いかがでしたか?

子犬を飼い始めた方は是非参考にしてみてください。
これから十数年も一緒に暮らしていくからこそ「おすわり」「待て」などのしつけも重要になってきます。子犬の時期に社会化をある程度身につけておけば、それ以降のしつけもスムーズに行うことが出来るのではないでしょうか?

人間も愛犬もお互いに苦痛や不快感を感じることなく生活出来るように、犬の社会性について真剣に考えていきましょう!

詳しい「しつけ(トレーニング)」に関してはこちらをご覧ください。

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