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腰が痛いって言う獣医さんはとても多いです(-_-;)
重いものを持ったり、無理な姿勢だったり、立ちっぱなしだったり
獣医師は意外に重労働です。
今回はそんな腰についてお話します。
「なんだか腰がふらふらするな・・・・」
「抱っこする時キャンと鳴いたり、腰辺りを触るといやがるな・・・・」
「階段の上り下りをいやがるな・・・」
なんてことありませんか??
もしかすると腰に違和感や痛みがあるのかも・・・・
腰に異常をおこす病気についてお話しましょう。
椎間板(ついかんばん)ヘルニア
椎間板の断面を見てみましょう。脊髄は脊椎(背骨)によって作られた脊柱管(せきちゅうかん)の中を通り、脳からの指令を全身に伝え、また末梢(まっしょう)の感覚などの情報を脳に伝える働きをもちます。ほかに、急に寒熱や痛みなどを感じて手足を動かす「反射」情報を、自ら処理する役割もあります。
脊椎は椎間板によって強く連結されています。椎間板の構造を断面で見ると、中心部に髄核があり、その周囲を繊維輪が囲んでいます。繊維輪のお腹側は厚みがあるのに対して背中側は薄く、繊維輪がきれやすくなっています。髄核はゼリー状の弾力性に富んだ構造をしており、脊椎に加わる衝撃を吸収する働きを持ちます。
この椎間板が脊髄に向かって飛び出し、脊髄を圧迫する状態が椎間板ヘルニアです。
また、椎間板ヘルニアが犬で最も起こりやすい場所は胸椎と腰椎の移行部(背中)と頚椎(首)です。
椎間板ヘルニアには2つのタイプがあります。
1.ハンセン1型椎間板ヘルニア
軟骨異栄養性犬種:なんこついえいようしゅ(ダックスフンド、シーズー、ウェルシュコーギー、ビーグル、コッカースパニエル、ペキニーズ、ラサアプソなど)とよばれる犬種に多く見られます。こういった犬種では2歳までに椎間板が変性を起こして脱水し、髄核のゼリー状の滑らかな構造は硬く乾いた物質に変化します。このような変化が起こると椎間板の衝撃を吸収する機能が損なわれ、同時に繊維輪も弱くなります。このような状態の椎間板に負荷が加わると、破れた繊維輪から髄核が飛び出し、脊髄を圧迫します。多くは3~6歳までの間に急性に発症します。
2.ハンセン2型椎間板ヘルニア
ヨークシャーテリア、マルチーズ、パピヨン、プードル、ミニチュアピンシャー、ミニチュアシュナウザー、ゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバー、シベリアンハスキー、フラットコーテッドレトリバーなどの犬種で多く、椎間板が加齢に伴い変性を起こし、過形成を起こした繊維輪が脊髄を圧迫します。
このタイプの椎間板ヘルニアの多くは成犬から老犬に多く起こり、慢性的に経過し悪化します。
症状
背中の痛みや足のふらつき、のろのろ歩きに要注意
・背中に触ったり、抱こうとすると痛がる。
・背中を丸める姿勢をとることが多く、運動したがらない。
・歩く時、足がふらついたり、のろのろ歩きになったりする。
・ソファや階段などへの昇り降りを嫌がる。
・肢先が曲がり肉球ではなく甲が地面についていることがある。
などの症状が見られます。
ひどくなれば、脊髄が壊死して後肢の感覚がなくなり、生涯、立ったり歩いたり、自ら排尿排便することもできなくなります。
診断
・神経学的検査脊髄を圧迫する椎間板ヘルニアの部位や状態と、神経まひの程度、症状を詳しく調べます。
・レントゲン検査ただし、手術時にはレントゲン造影検査・CT・MRI検査も行います。
治療
軽症なら内科治療、重症なら緊急外科手術とリハビリ療法・内科的治療
ヘルニアの状態や神経麻痺の程度、症状が軽い初期の段階なら、痛みや炎症を抑える薬剤を投与します。
患部に痛みがあれば周辺の筋肉が緊張したままで、ヘルニアを起こした椎間板への負荷、衝撃が大きくなります。炎症があれば、患部が腫れて脊髄への圧迫も増します。痛みや炎症を抑えるだけで、症状が緩和することも少なくありません。
また、激しい動作を控えるためにケージの中で安静にさせる必要もあります。
なお、緊急手術の必要がない段階なら、脊髄圧迫の原因である椎間板内の髄核を溶かす酵素を、注射器で注入する治療法も効果があると言われています。
・外科学的治療甲が地面についている状態から自分で戻せなかったり(ナックリング)、さらにひどくて腰が抜けた状態で立つこともできないようなら、脊髄造影レントゲン検査・CT・MRIで患部の部位と状態を正確に見極め、外科手術ですぐに脊髄を圧迫している髄核を取り除く必要があります。
もし、脊髄の筋肉や腱などの動きにかかわる「深部痛覚(しんぶつうかく)」が失われれば、一、二日で脊髄が壊死してしまい、たとえ外科手術をしても回復不可能になりかねません。・リハビリ療法
「ジェットバス療法」
麻痺した患部に刺激を与える
「水泳」
体重の負荷がかからずに四肢を自由に動かせる最も適した運動です。体をきれいにして皮膚の感染を防ぐ効果もあります。ぬるいお湯は四肢の血液循環を良くし、筋肉のマッサージ効果もあります。
「タオル歩行」
飼い主さんが犬の腹部をタオルや三角巾等で持ち上げ、歩かせる運動です。後肢に少し体重がかかるようにして、運動神経と筋肉を刺激します。
「自転車のペダリング」
犬を仰向けに寝かせ、前肢と後肢を自転車のように動かして行います。こうして関節を可動範囲いっぱいに動かすことによって、関節をしなやかに保ち筋肉の衰えを防ぐことが出来ます。
これまで哺乳類の中枢神経は再生しないというのが定説でしたが、自身の骨髄細胞を増殖させて患部に注入する「再生医療」技術が進展し、日本でも、最近、交通事故などで脊髄切断した犬や猫に対する試験的な「再生治療」が始められています。
予防
子犬期から無理な動作や運動、肥満を避ける飼い方を!
特に、椎間板ヘルニアになりやすい犬種=軟骨異栄養性犬種(ダックスフンド、シーズー、ウェルシュコーギー、ビーグル、コッカースパニエル、ペキニーズ、ラサアプソなど)は、子犬期から肥満にならないように食事管理をしたり、フリスビーやアジリティなどの激しい運動や、足を踏みはずしやすい砂利道の散歩はなるべく控えたり、室内が滑りやすいフローリングの床ならカーペットなどの敷物を敷いておいたり、ソファなどへの跳び乗り・跳び降りをさせないようにしたり、興奮してむやみに走り回らないようにしつけたりすることで、いくらかの予防になるでしょう。
*また、骨の変性・老化は一様に進むので、どこか一か所が椎間板ヘルニアになれば、近くの椎間板で再発する可能性も高いです。一度、椎間板ヘルニアになった子は、気をつけた方がいいでしょう。
チェックしよう!
☆軟骨異栄養性犬種である(ダックスフンド、シーズー、ウェルシュコーギー、ビーグル、コッカースパニエル、ペキニーズ、ラサアプソなど)
★背中に触ったり、抱こうとすると痛がる。
★背中を丸める姿勢をとることが多く、運動したがらない。
★歩く時、足がふらついたり、のろのろ歩きになったりする。
★ソファや階段などへの昇り降りを嫌がる…。
★足を裏返しにした状態で立っていることがある。
★が一つでも認められたときは早めに病院へ行きましょう!- 【DOG】 病気
- 2011.08.10 09:00
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