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動物の体を知ろう! 第3回 感覚器-耳 編  獣医師 佐藤

前回は「眼」に関してお話しました。今回は感覚器系の2回目として「耳」に関してお話しましょう!

耳は音の通りあり、外側から順番に「外耳」「中耳」「内耳」の3部位に分けられます。
では、下の図を見ながら耳の構造と機能に関してお話しましょう。(耳と頭の中をスケルトンにしたと思って見て下さいね)

ear_000301.jpg図からも分かるように、
外耳:耳介+垂直耳道+水平耳道
中耳:鼓膜+鼓室包  +耳小骨
内耳:蝸牛+前庭   +三半規管

となっています。

では、これらを1つずつ見ていきましょう!

1.外耳

外耳には、脂を分泌する皮脂腺汗腺の一種である耳垢腺が存在しています。この2つの腺から分泌される分泌物に埃や古く剥がれおちた皮膚が混ざったものが、一般的に「耳垢」と言われているものです。
通 常であれば、耳垢は耳の奥から外へ外へ移動していきます。また、耳の中の環境は耳が健康であれば、適当な湿度・温度・pHを保っています。しかし、耳の中 の環境バランスが崩れると耳の中に入った異物や、不要な細菌が上手く除去出来ずに耳を刺激し、炎症を引き起こします。また腺からの分泌物のバランスも乱 れ、過剰な耳垢が生じることになり、細菌や真菌(例えばマラセチアetc)などが増殖してしまいます。こうして外耳炎が発生します。

耳垢が異常に多い、耳を掻きむしる、耳が臭い、といった症状が見られたら外耳炎の可能性もありますので動物病院を受診しましょう。

健康な耳で、耳垢も特に目立たない場合は耳掃除を頻繁に行う必要はありません。しかし耳垢が多かったり、外耳炎でなくても耳を痒がるような場合は、定期的な耳のお手入れをした方が良い場合もあります。
ear_000302.jpg
また、コッカースパニエルやプードルのように、耳が垂れていたり、耳の中に毛が多い犬種では耳の中が蒸れやすく、耳の中の環境が悪化しやすい傾向にあります
。その為、このような犬種では積極的なお手入れが必要な場合もあります。

耳の中の皮膚はとても薄く、少しの刺激でも傷つきやすい為、綿棒などでむやみに擦ったり、耳の環境を良くしようと思って耳の毛を無造作に抜いたりしてはすぐに傷ついてしまいます。その為、正しいお手入れをしなけれいけません!注意しましょう!

耳のお手入れ方法の詳細に関しては「こちら」をご覧ください。

2.中耳

中耳は鼓膜から始まり、内耳までの部分の事を言います。中耳には
・鼓室(鼓室包)
・耳小骨
・耳管

があります。

耳小骨はツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨の総称です。外から入ってきた音は鼓室の中にある耳小骨を振動させ、これにより音を内耳まで運びます。
耳管は鼻腔や咽頭につながっていて、鼓膜の中と外の気圧を一定に保つ働きをしています。

3.内耳

音は外耳から耳に入り、中耳を介して内耳に伝わってきます。内耳はこうして伝わった音を感知しますが、それ以外にも平衡感覚の感知という役割も担っています。
内耳において音の感知は蝸牛が、平衡感覚の感知は「前庭」と「三半規管」という部分が担っています。

蝸牛の中は液体で満たされていて、この液体が振動することで音を感知しています。前庭は三半規管と蝸牛の間にある部分です。三半規管は前庭につながっています。これらは回転運動や垂直・水平方向への加速度や重力を感知して体の平衡バランスを保っています。
前庭に障害が生じると(前庭疾患)、斜頚が見られたり、まっすぐ歩けなくなったり、同じ方向にクルクル回ってしまう、などの症状が見られます。
また、外耳炎を放っておいて悪化してしまうと、炎症が耳の中へドンドン進行し、中耳炎、内耳炎を引き起こします。外耳炎が波及して起こる内耳炎によっても、斜頚などの症状が見られます。これは、内耳の中に炎症が起き、前庭が冒された結果生じる症状です。

ear_000303.jpg
このように外耳炎は外耳だけではなく、中耳や内耳にも炎症を広げてしまう可能性があります。炎症がひどくなって耳道がふさがってしまうような場合は、手術によって耳道を切開する必要が出てくる場合もあります。外耳炎は決して放置しないようにしましょう!

いかがでしたでしょうか?
眼や耳の構造や働きについて、少しでも知って頂けたでしょうか?

次回は、「呼吸器系」に関してお話したいと思います。

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2010.09.01 09:00
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