前回は6大栄養素にどんなものがあるか、お話しました。そこで今回は6大栄養素の1つ、「水」に関してお話したいと思います。
水は体の60~70%を占めていて、10%程度の水分の喪失でも死を招くことがあるほど、体にとって必須の成分です。
では、水は体の中でどのような機能を果たしているのでしょうか?
水の果たす機能としては以下のものが挙げられます。
1.溶媒としての働き
消化や体の至る所で見られる化学反応の際に溶媒として働きます。
2.運搬する働き
栄養素や代謝によって生じた物質を運ぶ役割を果たします。
3.熱の分散作用
体で起こる化学反応の結果生じた熱を分散する働きをします。また、動物は汗をかけないので暑いときは舌を出してハッハッと息をすることで唾液を蒸発させ、体内の熱を放出します。
4.加水分解作用
消化の過程において大きな分子の栄養素は吸収できないので、小さな分子に分解する働きを助けます。
5.様々な体を構成する成分の構成要素
細胞、血液、リンパ液の主成分としての役割を持ちます。
いかがですか?
たかが水と侮ってはいけません。水にはこのように体にとって重要な役割を沢山果たしています。
でも、この大切な水分は毎日失われ続けています。
例えば、
・オシッコ
・ウンチ
・呼吸(先ほどお話したように暑いときのハッハッという呼吸では特に水分を失います)
・下痢
・嘔吐
・出血
などが挙げられます。
ウンチやオシッコ、呼吸は毎日の事ですので、日々刻々と体内の水分が失われていることが分かります。
下痢や嘔吐などが見られた場合には更に水分の損失が増える為、脱水に注意が必要です。
体内の水分が失われやすいことがお分かり頂けたと思います。失った水は補給しなければ生命に関わります。
では、水はどのようにして体に取り入れられるのでしょうか?
もちろん、「水を飲むこと」や「食べ物を食べること」によっても体内に水分が入ってきます。このように飲水や飲食によって体に入ってくる水は「摂取水」と言われます。でも体内で用いられる水分はこの「摂取水」だけではありません。体の中では食べ物を消化・吸収してエネルギーとして利用する為の様々な化学反応が起きています。この化学反応の過程でも水が生じます。この水もまた体で用いられる重要な水分です。このように化学反応によって生じた水は「代謝水」と言われます。
すなわち体にとって重要な水は「摂取水」と「代謝水」によって補われている、ということです。
一般的に犬や猫の1日に必要な水分量は ・犬:1kg当たり 50~70 (ml) ・猫:1kg当たり 40~50 (ml) と言われています。 しかし、これはあくまでも目安であって、暑いときや運動を沢山した日などはこれ以上にたくさん飲む場合もあるでしょう。また寒い日などはあまり飲まないかも知れません。また普段食べているご飯に含まれる水分量によっても左右されます。 ペットに「水をよく飲んでね」と言っても無理ですので、飲みたいとペットが思った時に新鮮な水を飲めるように、常に用意しておいてあげましょう!
体のほとんどを占める水分がどのようにして取り入れられるのか、これで分かりましたね!
では水は1日にどれくらい必要なのでしょうか?
水の必要量は気温や運動量、食事の種類や精神状態等によっても変わりますし、個体差もあります。
人間でも暑い時や緊張した時は喉が渇きますよね?ペットも同じで、その時々の状況によって必要量は異なります。
基本的に普段と比べてどのように変化しているか、を見てあげるようにしましょう。
ペットに与えるお水は色々な意見がありますが基本的に水道水でも大丈夫です。水道水を与えることに抵抗がある場合や、余裕のある時には浄水器や煮沸によってカルキや塩素を除いたお水を用意してあげましょう!
より良い水を与えようとミネラルウォーターを与えている方もいらっしゃるかも知れませんが、ミネラルウォーターに含まれる成分は結石の原因になる成分を含む為動物にはふさわしくありません。
(この事に関しての詳細はこちらをご覧ください)
ただし、健康に問題があり十分に水を飲めない場合もあります。脱水症状は危険ですので、水を飲めていないようでしたら動物病院を受診しましょう。必要に応じて脱水を改善するような点滴をしてもらえます。また環境に大きな変化がないのに、水を過剰に飲むような状態が続いた場合も何らかの異常があるかも知れませんので念のため動物病院を受診しましょう。
いかがでしたでしょうか?
人間でも十分な水を摂取することの重要性が広まっていますが、動物にも「水」はとても重要なものだということがご理解いただければ幸いです。
次回は「蛋白質」に関してお話します。