おうちで実践!健康診断 vol.3 尿

「健康診断を受けましょう!」というコラムで健康診断の重要性はお話しましたよね。まだ見ていないかたは是非ご覧ください

体の不調を隠すワンちゃん猫ちゃんですが、小さな変化はどこかにサインとして現れることもあります。
そのサインを見逃したくはないですね。

そこで、オススメしたいのが、飼い主さんがおこなう自宅での健康診断です。

毎日のペットとの暮らしの中でできる簡単なものばかりなので、是非実践してみてください。
 
 
第3回はおしっこについてお話したいと思います
尿からも様々な情報を得ることができます。
膀胱炎、腎臓の病気、糖尿病、ホルモン性疾患など、病気の早期発見にも役立ちます。

*量*
ワンちゃんは一日に20~40ml/kg、猫ちゃんは一日に20~30ml/kgのおしっこをします。実際に一日の尿量を計測するのは困難ですので、排尿の回数がいつもと同じくらいなら、一回量が多めか少なめかを見た目で確認してみましょう。
まずはペットシーツや猫砂に残っているおしっこの跡の大きさを気にするだけでも良いと思います。
ワンちゃんも猫ちゃんも一日の排尿量が50ml/kgを超えると多尿といって尿が多すぎる状態といえます。
通常は飲水量も同じように増えているはずですので、お水用の食器がすぐに空っぽになることで異常に気づくことが多いです。ちなみにワンちゃん猫ちゃんともに飲水量が一日100ml/kgを超えると多飲といって飲みすぎの状態です。
慢性腎不全、糖尿病、ホルモン性疾患などでは水をよく飲み、尿量も増えます。
逆に、腎不全の末期では尿が作られなくなり、尿量が減ってしまいます。

*回数*
個体差もありますが、だいたい2~3回/日くらいが多いです。
なかには5~6回の子もいますし、1回だけの子もいます。
とくにワンちゃんはお散歩中におしっこの回数が増えますよね。
また、トイレトレーニングでたくさん褒められたりご褒美をもらっていた子は、何度も褒められたいですしご褒美ももらいたいですから回数が増える場合があります。かわいいですね。
ですので、異常な回数というのはあくまで通常に比べてということになります。
 
1.通常より多い
何度もトイレに行き、ちょっとずつしか排尿しないような場合には膀胱炎などが疑われます。膀胱内に炎症が起きていると、少し尿が貯まっただけでも尿意を感じてトイレに行ったり、おしっこが全部出ているのに残尿感を感じて再び排尿したりします。
 
2.通常より少ない
少なくても、一回量がしっかり出ていればさほど問題ないのですが、おしっこが貯まっているのになんらかの原因で出せないとなると大問題です。
トイレに行っておしっこしようとしているのに全然出ていないというような場合はすぐに病院へ連れて行きましょう。

*色(濃度)*
正常な尿は淡黄色~黄色で濁りがなく透明です。

濃い黄色 :
濃縮された尿。排尿までに時間が経過している。病気ではない。
桃色~赤 :
血液や血色素が混ざっている。膀胱炎や腎炎、溶血性貧血等の可能性あり。
淡黄色~無色 :
尿が薄い=水分が多い。多飲多尿の可能性あり。限りなく無色近い場合は腎不全の可能性もあり。
混濁 :
感染・炎症があり、白血球が出てきている。腎臓に疾患があり、タンパク質が漏れ出ている。

【キラキラと細かい砂のようなものがみえることがありますが、これは結晶といって結石の一つ手前のものですので、
予防・治療が必要になります】

*匂い*
濃いおしっこはそれだけ匂いも濃くなります。
また、うすいおしっこ(=水分が多い)は匂いもうすれます。
無臭に近いような尿をしている場合は腎不全の可能性があるため受診が必要です。
また、重度の細菌感染を伴う膀胱炎の際には独特の臭い匂いがします。


上記に加えて排尿の様子を観察することもオススメします。
排尿の姿勢をとってから実際におしっこが出てくるまでいつもより時間がかかったりするときにはやはり泌尿器系になんらかの病気がある可能性があります。
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