よくある症状 第2回「嘔吐」 獣医師 三宅

実際に来院される理由としてよくある症状を紹介していきたいと思います。

ご自宅の猫ちゃんに同症状がみられた時に、参考にしてみて下さい。

 

 

考えられる原因

*食事によるもの
食べ慣れていないものを食べた、食餌性アレルギー

 

*病原体によるもの
寄生虫、細菌、ウイルス性疾患

 

*消化器疾患
胃腸炎、腫瘍

 

*その他

ストレス(季節の変わり目、空調、環境の変化など)、異物(毛玉なども)を飲んだ、

他臓器疾患の影響

 

ほとんど下痢の時と同じですね。

胃と腸はつながっているので、原因もとてもよく似てきます。

また、「下痢をしていると思ったら嘔吐も始まった」ですとか、

逆に「嘔吐していたら下痢もし始めた」なんてこともよくあります。

胃と腸はまさに切っても切り離せない存在です。

 

 

検査

*触診

胃腸を触って痛みの有無や、腸内の異物・腫瘍を調べます。胃の中の異物は外

から触っただけではわかりません。

 

*レントゲン

胃炎をおこして粘膜が腫れていないか、胃腸内に異物や腫瘍がないかなどを調

べます。(レントゲンに写ってこない異物も多々あります)

 

*血液検査

全身の健康状態をみたり、強い炎症や感染がないかを調べます。

また、老齢の猫ちゃんで多くみられる疾患の一つに腎不全がありますが、

腎臓が悪くなってくると尿中に毒素を排泄できず血液内に貯まってしまうため、

気持ち悪くなって吐き気を催すことがあります。

ですので、老齢では血液検査で腎臓の数値を見ることも大切です。

 

 

 

猫ちゃんは、毛玉を吐き出したりごはんを一気に食べすぎて

消化しきれず吐いたりすることが日常的によくみられます。

(中には一度も毛玉を吐いたことがないなんて子もいますが)

ですので、嘔吐が続くわけではないのなら、さほど心配しなくても大丈夫でしょう。

ただ、一緒に下痢もしたり、食欲・元気がなかったり、慢性的に嘔吐が続くような時には

大きな病気が隠れている可能性も十分考えられますので、早めの検査が必要になってきます。

 

 

予防できること

やはり、ブラッシングは重要です。

毛玉を吐けている分には問題ないのですが、

硬くなった毛玉が腸に詰まってしまうことなどもあるので、あなどれません。

毛玉をほぐしてウンチで出すようなサプリメントもあるので使用するのもよいでしょう。

また、本当に怖いのが、糸などの細いものを飲み込んでしまうことです。

子猫のときに糸や毛糸などでじゃらして遊んでいると、

大きくなってもなにかの拍子にじゃれついて飲み込んでしまうことがあります。

ウンチで出てきてくれればいいのですが、糸は腸に絡まったりするため

すぐにお腹を開けて手術が必要になるケースが非常に多いです。

猫ちゃんの見えるところに糸類を置かないように気をつけたり、

毛糸などで遊ばせるのは避けるほうが良いでしょう。

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