「犬のクッシング症候群」 獣医師 三宅

 

クッシング症候群は犬でよくみられるホルモン異常です。
副腎という腎臓のそばにある小さな器官からは「コルチゾール」というホルモンが分泌されています。
このホルモンは健康に生活をしていくうえで欠かせない非常に大切なものではあるのですが、
クッシング症候群とはこの「コルチゾール」が出すぎてしまうことで、逆に体に悪影響を与えてしまっている状態をいいます。
副腎は、脳の下垂体という場所から出るACTH(副腎皮質刺激ホルモン)というホルモンの影響により、「コルチゾール」を分泌させます。
そのため、脳下垂体に腫瘍が出来てACTHが出すぎてしまうと、副腎もコルチゾールをたくさん分泌させてしまいます。
また、脳下垂体が正常であっても、副腎そのものに腫瘍ができることでも「コルチゾール」の分泌は過剰になります。
クッシング症候群の原因としては、①脳下垂体の腫瘍によるもの②副腎そのものの腫瘍によるものがあり、
9割は①脳下垂体の腫瘍によるものだといわれています。

症状
水をよく飲み尿も増える、
毛が抜ける・皮膚が黒ずむ(色素沈着)・皮膚が薄く弱々しいなどの皮膚症状、
足腰が弱くなり散歩に行きたがらない、
呼吸が速い、
お腹が膨れてくる などの症状がみられます。

診療
上記の特徴的な症状からクッシング症候群が疑えたら、血液検査でコルチゾール値を測定します。
診断のためには、単純な測定の他に先述したACTHを注射してコルチゾールの数値がどう変化するかが重要になるため、数回の採血が必要となります。
また、超音波検査によって副腎に腫瘍が出来ているかどうかを調べたり、CTやMRI検査で脳下垂体に腫瘍があるかどうかを調べたりします。
治療方法は原因が脳下垂体にあるか副腎にあるかで異なります。
原因が脳下垂体にあり、その腫瘍が小さいときは内服薬で副腎から分泌されるコルチゾールを抑えます。
腫瘍が大きいときは放射線治療や外科手術による摘出が選択されることもあります。
原因が副腎の腫瘍にあるときは外科手術による副腎摘出が第一選択になります。

予防
腫瘍性疾患であり効果的な予防方法は残念ながらありません。
上記の特徴的な症状がみられたら早めに受診しましょう。

もっと詳しく知りたい方、同じ病気にかかっている愛犬愛猫と暮らしている方、
獣医さんに直接相談してみませんか。
会員登録はこちらから

 

一覧に戻る

関連記事を読む

気にしていますか?わが子の歩き方・後ろ姿 第5回「股関節」

気にしていますか?わが子の歩き方・後ろ姿 第5回「股関節」

Copyright © Anicli24 AA Rights Reserved.