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フード豆知識 「処方食~尿路疾患編~」 獣医師 葛野2011年11月2日

2011年11月2日

今回は尿路系の病気になったとき用の処方食についてお話させていただこうと思います。

「尿路系と言われてもピンと来ない・・・」という方も多いのではないでしょうか?
尿路系とは、腎臓・膀胱・尿道のようなおしっこを作り出して、排泄する器官のことを指します。
この尿路系疾患、実は猫ちゃんに圧倒的に多い病気なのです。(ちなみにワンちゃんももちろんなりますよ)

尿路系に起こる全ての疾患に対して処方食が存在するわけではありませんが、まず、簡単に病気についてお話したいと思います。
尿路系疾患には、腎炎・腎不全、膀胱炎、結石(腎臓・尿管・膀胱・尿道)などが含まれます。
膀胱炎は人でもおなじみですが、細菌感染や結晶・結石などにより膀胱が炎症を起こしてしまう病気です。特徴として残尿感などがあり、そのため何度もトイレにいったり排泄時に痛みが伴うこともあります。

結石は、細菌感染や遺伝的な要因などにより、尿中のミネラルが過剰になり結石の元になる成分(結晶といいます)が増え、時間を経て石状の物体である結石ができることを指し、その結果結石が尿道や膀胱から尿道への出口などを塞いでしまったことによりおしっこが出なくなることを尿閉塞といいます。

腎臓は血液からおしっこを作りますが、たんぱく質などの必要なものは保持したまま、いらない毒素だけをおしっことして排泄します。腎不全になるとその名のとおり腎臓が機能しなくなり、毒素がきちんと排泄されなくなります。

排泄されない毒素が血液中に蓄積してしまうと、尿毒症として神経症状が出たり、臓器が弱って全身症状が出たりする可能性があるのです。

実際に尿路系疾患用の処方食にはどんなものがあるのでしょうか?

結石症の処方食:結石のもととなるミネラルムの含量を制限し、結石が出来にくい尿pHに保ちます。また、結晶を溶かす効果もあります。

腎不全:毒素のもとになるたんぱく質の含量が少なくなっていることなどが挙げられます。

前述のように、尿路疾患は猫ちゃんに多い病気であるため、猫ちゃん用の尿路系の処方食のラインナップはかなり豊富で、様々な嗜好性にあわせられるよう考慮されています。

お薬だけでなく上手に処方食も利用して、結石症の子は予防をすることが、腎不全の子は腎臓に負担をかけずより長生きできるようにしてあげることが大切ですね。

これらの病気にかかっているかを知るにはどうすればよいのでしょうか?

実はこれらの病気にかかっているかどうか早く知るためには飼い主さんの日頃の観察が重要となってくるのです。
尿路系の病気になると、おしっこに変化が出てきます。

膀胱炎・結石:粘膜が炎症を起こしたり、結晶・結石によって傷つけられるため、血の混じったおしっこが出てくることがあります。また結晶成分がおしっこの中に出てきて、トイレシーツなどが光の反射具合によってはキラキラ光っているように見えることもあります。そして、膀胱に異常が出てくると、たくさんのおしっこを貯めておくことができなくなるため少しの量のおしっこを何度もトイレに行ってはチョロチョロするようになります。
尿閉塞:おしっこをしたいのに閉塞を起こしていて出ないために、何度もトイレに行くそぶりは見せますが、おしっこは出ないという行動が見られます。
腎不全:水を飲む量もおしっこの量も増えてきます。

これらの変化に飼い主さんがいち早く気づいて、病院に連れてきてくださることで、獣医師も速やかに検査を行い、異常を発見することが可能となるのです。

ちなみに・・・
ワンちゃんには発情のときに人の生理のように出血(発情出血)があることが有名ですが、猫ちゃんは発情のときの出血が無いのです。
知ってるよ!!という方ももちろん多いとは思いますが、犬を長年飼っていて初めて猫ちゃんを飼われたり、初めて動物を飼われる方などに質問されることがとても多いのです。
陰部から血が出ているから、発情??と思いがちですが、猫ちゃんでそんな症状が疑われたら血尿がでていて、尿路系の疾患である可能性が高いです。

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