獣医師が解説【猫の胃腸の病気】腸の腫瘍の代表的な症状、原因、治療法、受診の判断は?

この記事を監修した獣医師

anicli24 院長

三宅 亜希みやけ あき

犬・ネコの病気、予防医療、しつけ、ペットに関する気になることを専門の獣医師に電話相談できる電話動物病院「アニクリ24」の院長。日本大学生物資源科学部獣医学科卒業。

猫ちゃんの腸の腫瘍(腸管腫瘍) 代表的な症状

猫の腸の腫瘍(腸管腫瘍)の症状は、腫瘍の種類、腫瘍ができた場所、悪性腫瘍だった際のステージ(転移の有無など)などにより異なります。一般的には、食欲不振、便秘、軟便、血便、嘔吐、腸の通過障害(腸閉塞)、などがみられます。

POINT

– 腫瘍の種類、場所、転移の有無などにより異なる
– 食欲不振
– 便秘
– 軟便、下痢
– 血便
嘔吐
– 腸の通過障害(腸閉塞)

猫ちゃんの腸の腫瘍(腸管腫瘍)の原因は?

猫でよくみられる腸の腫瘍(腸管腫瘍)には、リンパ腫、腺癌、肥満細胞腫などがあります。なぜ、これらの腫瘍ができるのか原因ははっきりと分かっていませんが、一般的に高齢で発症することが多いです。この他にも、平滑筋肉腫、平滑筋腫、消化管間質腫瘍などもあります。
シャムは腺癌の好発(その病気になりやすい品種)として報告があります。

POINT

腫瘍が発生する原因は不明だが高齢になると発症しやすくなる

猫ちゃんの腸の腫瘍(腸管腫瘍) 受診の判断は?

特に、高齢の猫で、毎日ではないけれど、食欲不振や嘔吐、下痢、便秘が見られることが多いなど、症状が気になるときには様子を見ずに受診することが重要です。

もし、たまに見られる食欲不振などの消化器症状との違いがわからない、病院に連れていくほどの様子には思えない、など受診に迷われる場合は、アニクリ24の獣医さんに直接相談してみませんか。

Anicli24は24時間365日
いつでも相談できる電話動物病院です。

登録は約5分で完了。経験豊富な獣医師に、今すぐ電話で相談できます。

猫ちゃんの腸の腫瘍(腸管腫瘍)の検査・治療は?

検査

問診で飼い主さんから普段の様子、症状が始まったタイミング、飲んでいる薬、予防歴、食事、などについて詳しく話を聞きます。触診で腹部を触った際に腫瘍が確認できることもあります。
下痢をしている場合は、便検査で寄生虫や寄生虫の卵の有無、細菌の状態を確認することもあります。
血液検査では、一般的な健康状態を確認し、血液中の電解質のバランスや、貧血の有無、炎症反応などを確認します。
画像診断では、腸管内にガスが溜まっていないか、腸管はスムーズに動いているか、腫瘍の有無を確認したりします。造影剤を使用して通過障害の有無を確認したり、腸を十分に観察するためにCT検査を行ったりすることもあります。
腫瘍の正体を知るためには腫瘍の一部を採取して病理検査を行う必要があります。内視鏡が届く場所(胃~十二指腸、直腸)にできた腫瘍は内視鏡を通じて採取することが可能ですが、それ以外では開腹をして採取することもあります。

治療

基本的には外科手術が行われます。腫瘍の種類によっては外科手術ではなく化学療法が選択されるケースもあります。
外科手術と化学療法を併用することもあります。

猫ちゃんの腸の腫瘍(腸管腫瘍) 予防はできる?

原因がわかっていないため残念ながら有効な予防方法はありません。定期的に健康診断を行い、早期発見、早期治療を心がけましょう。

アニクリ24では、病気の相談以外にも、なにか普段と違う異変を感じたとき、不安を感じたときは いつでも直接獣医師に相談することができます。

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