尿石症 獣医師 三宅

膀胱や尿道などに石ができる泌尿器疾患です。石によって粘膜が傷つき、炎症・感染・出血を起こし、場合によっては尿道を塞がれて排尿できなくなることもあります。

泌尿器の病気は冬場に悪化しやすいので、十分注意が必要です。

 

症状

トイレに何度も行ったり、排尿の姿勢をとっているのにおしっこがなかなか出てこないなどは要注意です。また、おしっこに血が混じったり、おしっこそのものが赤い色をしてくることもあります。

 

診療方法

尿検査を行い、尿中に異常がないかを判断します。また、レントゲンや超音波検査により、膀胱内や尿道に結石がないかどうかを確認します。

結石になる手前の結晶の状態なら、内服薬や食事療法食で十分改善が期待できます。ごくまれに、結石も内科療法で溶けることがありますが、通常は手術で取り除かなくてはいけなくなります。

 

予防

背景に遺伝的要素が関与するものもあるので予防は難しそうですが、日々の食事に気をつけたり、膀胱内におしっこを長時間貯めないように心掛けるだけでも十分な効果が期待できます。

冬になるとお水を飲む量が減るので、おしっこは濃くなります。また、寒くて動きたくないという子はトイレのタイミングを我慢してしまうことがあります。

冬こそこまめにお散歩に行くなどして運動をさせ、飲水を促してあげて下さい。また、ウエットフードを混ぜて水分を補給するのも良いですね。

いつものお水にほんの少しスポーツドリンクなどを香り付け程度に混ぜることで、たくさん飲んでくれるようになる子もいます。入れすぎは糖分やミネラルの取りすぎにつながりますので注意してください。

また、太っていると運動量が減ってその分飲水量も少なくなりがちです。体重管理にも十分気をつけたいですね。

 

尿石症になりやすい犬種

ごはんの内容や飲水量、運動量、肥満など、いろいろな原因がありますが、遺伝的に尿石ができやすい犬種も存在し、シー・ズー、ミニチュア・シュナウザー、ヨークシャー・テリア、ミニチュア・ピンシャー、などで高い罹患率を示すことが知られています。

 

尿石症の種類

石の成分などにより尿石症は数種類存在します。

1.ストラバイト尿石症

平均2~8歳齢で発症し、雌の方が多いといわれています。

 

2.シュウ酸カルシウム尿石症

平均5~12歳齢で発症し、雄の方が多いといわれています。

 

3.尿酸尿石症

先天性門脈シャント※1という病気など、肝臓の代謝機能に関係していることが多いです。平均3~6歳齢で発症し、雄の方が多いといわれています。

 

※1門脈シャント:門脈とは主に腸などからの血液を肝臓に運ぶ血管のことをいいます。

門脈から運ばれた血液中には多くの栄養が含まれており、それらは肝臓で代謝されます。また、栄養と一緒にアンモニアなどの有毒物質も運ばれますが、これも肝臓の働きにより無毒化されます。門脈シャントとは、門脈と通常の静脈との間に通路となる血管(シャント)が できてしまう先天性の血管奇形です。このシャントによって、門脈内の血液は肝臓へ入る前に静脈へと混入してしまいます。その結果、肝臓に栄養を届けられな いだけでなく、有毒物質も全身へまわってしまいます。肝臓で代謝されないため、尿中にそのまま排泄されるアンモニアや尿酸などの物質の量が増え、それが原 因となって尿石症を引き起こします。

 

4.その他

稀に見られるものとして、シリカ尿石症、リン酸カルシウム尿石症、シスチン尿石症などがあります。

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