電話どうぶつ病院 Anicli24 コラム

2 病気とその予防 獣医師 佐藤2011年2月1日

2011年2月1日

人間でも年を重ねるごとに老眼になったり、足腰が痛くなったりするものです。
ペットも人と同様、老犬になるにつれて、様々な病気や、高齢期ならではの症状が見られるようになってきます。

 

そこで今回は高齢犬によく見られるような病気とその予防について、お話したいと思います。

 

まずは、高齢犬によく見られる病気に関していくつかお話ししましょう!

 

 

・歯周病

→歯周病とは歯を支える歯茎の部分が、歯垢や歯石が付くことによって炎症を起こすことを言います。

歯周病になると歯茎が痛い為、ご飯を食べなくなってしまったり、口臭がきつくなってしまいます。

高齢期になると歯茎が痩せてくるため、歯がグラグラしやすく、感染も起こりやすくなるため、歯周病が増えてくると考えられます。

 

一度付いてしまった歯石はご家庭で取り除くことは難しいですが、歯垢に関しては普段の歯磨きで予防できるので、毎日少しの時間でも歯磨きをする習慣をつけてあげましょう。

 

・心臓病

→年を重ねるとどうしても心臓の働きが衰えてきます。心臓は酸素をたっぷり含んだ血液を全身に送り出すポンプの働きをしているので、この心臓が弱ってくると、血液の流れが悪くなり、少しのお散歩で息切れを起こしたりしてしまいます。

 

動物病院では、聴診器で心臓の音をチェックしたり、レントゲンや超音波で心臓の大きさや動きを確認したりする事ができます。普段と同じ運動量なのに、“最近すぐに息が切れる”などといった症状が見られたら、一度動物病院を受診しましょう。

 

・白内障

 

→白内障は人間でも高齢になると見られる病気です。水晶体が白く濁り、視力が低下する疾患で、加齢に伴って発症する場合と遺伝、糖尿病などで発症することもあります。

眼が悪くなっても、慣れた散歩コースやお家の中ではほとんど物にぶつかることなく歩くことができることも多いため、
気づくのが遅くなることもあります。

白内障に対する治療方法としては外科手術があります。眼科の専門病院を受診し、外科手術が適用かどうかを判断してもらいます。

 

・腎臓病

→腎臓は体内の老廃物をろ過して体の外に排出する働きがあります。

高齢になってくると、この腎臓の働きが衰え、うまく老廃物をろ過できなくなり、尿の成分が変わってしまいます。例えば体にとって大切な蛋白質まで、尿中に排泄してしまいます。

 

早いペースで腎臓の働きが悪くなった場合には吐いたり、脱水を起こしたり、尿がうまく出なくなったりと様々な症状が見られますが、ゆっくりと進行した場合には症状があまり出ずに、気付いた頃には重症になっている、といったケースもあります。

 

尿検査は動物病院で出来るものなので、定期的に検査をしてもらうようにしましょう!

 

・関節炎

→関節炎は免疫の異常や、生まれながらに関節が変形していることで起こる場合もありますが、高齢になると、関節のクッションになる軟骨がすり減ることで、関節に痛みを生じることがあります。

 

・腫瘍

→高齢になると腫瘍の発生頻度が高くなります。これは、体にとって不必要な細胞の増殖を、自分の力では抑えきれなくなって生じるものです。主要には、良性と悪性があり、悪性のものが「ガン」と言われるものです。若いころは制御出来ていた異常な細胞の増殖が、年をとると制御できなくなり、高齢期に腫瘍の発生頻度が高くなると考えられています。

 

良性であれば、特に命に関わる事はあまりありませんが、発生した部位によっては、生活に支障をきたす場合もあります。(例えば喉元に腫瘍ができると、息がしにくくなりますよね?)

悪性の場合は、他の部位に転移することが多く、命に関わる問題になりかねません。

 

ガンは早期発見が大切です。体の中のものは目に見えませんが、体の表面は、見たり触ったりしていることで発見しやすいので、注意して観察してあげましょう。また定期的な健康診断も受けるようにしましょう。

 

ガンの治療は、手術、抗がん剤、放射線療法などがありますが、老犬にとって負担の大きい場合もあるため、特に治療は行わず、普段の生活を出来るだけ快適に過ごせるサポート的な治療を好まれる飼い主さんもいらっしゃいます。

 

・認知症

→現在特に問題になっているのが認知症です。この病気は愛犬自身だけでなく、飼い主さんの負担も大きく、連続した大きな鳴き声から、ご近所トラブルに発展する場合もある、デリケートな問題です。認知症は特に柴犬などの日本犬で発生しやすいと言われており、寝たきりになることもあるため、飼い主さんによる介護が必要になってきます。

 

認知症の症状緩和や発症を遅らせる効果のあるサプリメントが、いくつか発売されており、これから認知症のペットが増えてくるだろうという予測から様々な研究が行われています。

 

いかがでしたか?思い当たる症状はありませんでしたか?

前回お話ししたような、

・動きたがらない

・痩せてくる

・おもらしをする

などのちょっとした変化の背後にはこのような病気が隠れている場合があります。

 

このようなちょっとした変化は、私たち獣医が診察時に1回見ただけでは分からないことがあります。動物は弱った姿を見せると敵に襲われてしまう、野生の本能で、弱った姿をあまり見せないことが多いようです。飼い主さんのように心を許した相手には見せることがあっても、動物病院では緊張などから普段見られる症状が見られないことがあります。

 

 

飼い主さんが普段からよく観察して、愛犬の代わりに獣医さんに症状を伝えてあげてくださいね。説明が難しそうなら、携帯電話で写真や動画を取っておくと、伝わりやすいですよ。

 

 

次回は、認知症についてお話ししたいと思います。

 

ご登録はこちら