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5 介護 獣医師 佐藤2011年5月2日

2011年5月2日

前回までのコラムでは高齢犬に多く見られる病気や認知症に関してお話してきました。そこで、今回は実際に高齢犬を介護する方法やその際に便利なグッズに関してお話しようと思います。

高齢犬の介護方法は、その高齢犬が出している症状によっても異なります。介護には色々な方法がありますので、ここにあげるものが全てではありませんが、参考にして頂ければと思います。

では、症状別に介護方法をご紹介しましょう。

1.おもらし

おむつをしてあげましょう。
動物用のものが手に入らない時は人間用のものでも尻尾の部分に穴を開ければ使用できます。特に寝たきりの子のおもらしは、皮膚を汚して皮膚炎などを招きますので、おむつがオススメです。おむつを嫌がる場合は吸収性の高いペットシーツなどを使用し、こまめに取り換えてあげましょう。

2.足がふらつく、歩くとよろける

歩行補助用品を使用しましょう。
ヨロヨロした高齢犬を手で支えるのは飼い主さんの負担にもなりますし、上手に支えきれずに思わぬアクシデントにつながることもあります。
その為か、近年ペットショップやインターネットショップで高齢犬の歩行を介助するグッズが売られています。
入手できない場合は、柔らかいタオルに足を通す穴をあけると代用できますよ。
少しでも歩く力があるなら、このような補助用品を使って、お外の空気を吸わせてあげましょう。良い気分転換になりますよ。

外でしか排泄をしてくれない子にも便利です。
歩けない子では、犬用のベビーカーも便利です。散歩に頻繁にいけないと爪が伸びやすくなるので、爪のケアにも気を配ってあげる必要があります。

3.クルクル回ったり、隙間に入ってバック出来ない

サークルや子供用のプールの中に入れてあげましょう。
認知症の高齢犬ではクルクルとまわり続け、どこかにぶつかると方向転換できずに鳴いたり、隙間に入りたがるのにバックで上手く出て来れずに鳴いたりします。

このような症状が見られたら、サークルや子供用プールなど円形のものの中に入れてあげると、壁にぶつかる事も、行き止まる事もなく気が済むまで歩き続ける(まわり続ける)ことが出来ます。

4.夜鳴きする

日光浴をさせましょう。
夜鳴きは認知症の子でよく見られます。また体の痛みや不調、寂しさや不安から鳴く場合もあります。状況をよくみて原因があるようであれば、それを取り除いてあげる必要があります。

また高齢になると体内時計のバランスが乱れてきます。少しでもこの乱れを予防できるように日光浴などをさせて昼夜の区別がつきやすいようにしてあげましょう。ただ、高齢になると体温調節がうまく出来なかったり、体を自由に動かしにくい等の状況から暑すぎてしまうこともあります。暑すぎないように様子を観察してあげましょう。

5.攻撃的になった

アロマテラピーや不安要素を取り除く工夫をしてあげましょう。
高齢犬では視力や聴力が低下してくるため、周りの状況を捉えにくくなり、不安や恐怖を感じやすくなる子がいます。また関節の痛みや体が思い通りに動かない不安もあります。こういった状況から攻撃的な行動にでる場合もあります。

寝床の快適さ、寝床の位置など生活環境からワンちゃんが不安になるような点がないか見直してみましょう。マッサージを行うと心身がリラックスし、痛みや不安の緩和に役立つこともあります(慣れない場合は徐々に行いましょう)。

また、アロマテラピーもリラックス効果や元気を出す効果がありますので、そういった効果のある香りをチョイスしてみるのも良いでしょう。

リラックス効果のあるアロマには「ひのき」「サンダルウッド」「ローズ」「スイートマジョラム」「バレリアン」「ネロリ」などがあります。
また元気はつらつ効果のあるアロマには「オレンジ」「レモングラス」「プチグレイン」などがあります。

匂いには好き嫌いもあるので、愛犬の様子を良く見ながら匂いの程度やアロマの種類を調節してあげて下さいね。

6.食欲が異常に増えている

食事量ではなく、食事回数を増やしてあげましょう。
認知症を発症した子では特に食べても食べてもご飯を欲しがるような子がいます。肥満になると、体への負担になりますから、1日の量は同じ量のままで、小分けにして食事の回数を増やしてあげましょう。

7.節々を痛がる

マッサージやサプリメントを試してみましょう。

関節の痛みなどがある場合は、それらを改善するサプリメントを与えてみましょう。また、マッサージを行うのもいいでしょう。痛い部分を触ると嫌がる場合は、その周囲をマッサージして気を紛らわせてあげましょうね。どうしても嫌がる場合は無理強いはする必要はありません。また、どこを触っても痛がる場合は何か他の疾患がある場合もあるので、動物病院に相談しましょう。

8.寝たきりになる

床ずれに注意したお世話をしましょう。

ポイント1・・・寝床の素材を考える!

寝床に柔らかいタオルを敷いてあげる方がいらっしゃるかと思いますが、寝たきりの場合、床ずれが発生してしまいます。宅配便で割れ物を包むプチプチシートを数枚、タオルの下に敷いてあげると力を分散してくれるので床ずれ予防に効果的です。とはいっても、数時間おきの退位交換は大切です。

ポイント2・・・お漏らしをするならおむつを!

寝た切りの子がお漏らしをすると、皮膚がただれやすくなります。おむつやペットシーツを上手に利用して皮膚がびちょびちょのままにならない様に工夫してあげましょう。汚れた部分は蒸したタオルなどで綺麗に拭いてあげましょう。

ポイント3・・・床ずれが出来たら動物病院に相談!

床ずれは放置すると細菌が感染し、大変なことになります。動物病院で専用の軟膏をもらうなど感染が拡大しないように、まずは必ず獣医さんに相談して下さい。

いかがでしたか?

ご自宅の愛犬に適した方法は本当に千差万別だと思いますので、ここに挙げた方法をアレンジしたり、独自の方法を編み出したりしながら、より良い方法を見つけられるようにしていけると良いですね。

介護をすることは体力的にも大変ですし、苦しそうだったり、すっかり変わってしまった愛犬の姿をみることが、精神的にも辛い部分があると思います。

介護は辛い事も沢山ありますが、「動物を飼う、動物とともに過ごす」ということは、その子の最後を看取ることも自ずと含まれることです。周囲に相談したり、助けてもらいながら、大切な愛犬が最後まで精一杯生き抜こうとする姿を、ご家族の皆さんで協力して支えてあげて欲しいと、獣医師として、また1人の愛犬家として強く思います。

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